イノベーター理論について
1.前提となる世界観
昨今のテックには、実は緊急の必要性があるものが何1つない。緊急性に応じて開発されるのは、蒸気機関だったりに代表されるようなものだ。最後の必要性に応じた技術革新がパソコンだったのではないだろうか。ともかく、この文脈でいくとARにせよVRにせよ、当座ないと困る人はいないのである。要はマイナスをプラスへ、という埋め合わせの発想ではなく、今現代は拡張の方向にある。プラスが振り切れているところにさらにプラスをどれだけ載せられるか勝負なわけだ。
2.イノベーター理論とは
この上で最新テックは現代では身近なものとして普及させたもの勝ちである。こうした普及させる勝負には、より人間工学、人間科学的な人間に優しいオーガニックなサービスを提供するという旧式な正攻法もあるが、それと掛け合わされる形で、イノベーター理論というものがある。これは全てのテック領域において、その領域に対する興味関心度はとてつもなく高い人からまあ高い人、普通な人、ちょっと低い人、とてつもなく低い人と分類することができ、先述の順にボリュームも大きくなるという、いわば全体集合を広く顧客ととった時ピラミッド型の興味関心度の層が存在しているという理論だ。そして、興味関心が高いので当然サービスの購入も上位なほど高い。さらに下の層なほど自分より一段くらい上層がそのサービスを購入し始めると徐々にその最新サービスを買うという行動を見せる。したがって、最新テックにまつわるサービスを提供するものはすべからく今現在この瞬間、誰を相手取っているのかを詳細に把握するべきである。もう一段階話を逸らすと、このイノベーター理論で全体集合の三割を取れた時、一気にサービスが拡散する見込みがあると言われ、最新技術のサービスを提供する者たちは常にこの三割ライン(キャズム超えという)を狙うわけである。
3.じゃあVRは?
おそらくVRは今現在一番上の層が取りきれるか否かくらいだろう。(モバイルかハードか、話を分ければまた別だが)一番上の層が取れかけてると言ってもほんの数パーセントだから、VRが長期的に見てMRへと繋がっていくための普及状態をゴールとした時のまだ山一合目といった感じだ。このためにどうやってキャズムを超え完全な普及状態を作り出していくかは5年スパンの長期的な計画を練らなければならないし、おそらく各社練っているだろう。これはまた違う回に譲るとする。