VR・MRについてひたすら考察するブログ

VR・MRが大好きで現在もとあるVRの企業にいる管理人が、VRやAR、MRの今後について大まじめに予測したり今あるサービスについてわかりやすく解説していくブログです。ビジネスマンなら、ちょっと知っておきたい身体拡張性のあれやこれ、お話しします。

現時点に於けるVRの新規事業可能性

1.はじめに

今回は今までのトレンドに寄せた話というより、むしろ主観よりな話である。故に参考にならないなと感じたら唾棄してもらってかまわない。

 

2.VRのSNS

つい先日大手音楽事務所と大手ITベンチャーの出資を受け、VRのSNSのようなプロダクトを作らんとする会社が自らの所信表明をした。昨今注目されるVRで、プラットフォームを築きたいというのはとても理解できる構図である。

 

しかし問題なのは昨今注目している、というのが業界人プラスαだという問題点である。今100人街中で人を捕まえてVRに関する何らかの装置を持っている人間を数えたら、おそらく10人も行かないだろう。そもそもプラットフォームは人が集まってこそのプラットフォームであるから、今すぐローンチすれば、この観点からはうまくいかないであろう。

 

では、近年稀に見る成功を収めたSNSの名手Facebookというと、いわゆるweb2.0が2007年到来に対して創業2004年、さらに当時はハーバードの学生限定のエスタブリッシュメントコミュニティである。この観点から見れば時期としてはVRのSNSを作ろうとする時期は適切である。しかし、問題点は2つ避けがたく存在する。

 

3.問題点その1ーーニッチトップが拡大するケース

先述した通り、Facebookは初期はハーバードの学生のみに解放されたサービスであった。しかし、これは今や数十億人が使うとされるサービスだ。これはニッチトップから普遍へ、というまさしく理想の形態だが、これはニッチトップの属性次第ではうまくいかない場合も多い。Facebookの狙ったエスタブリッシュメントは、人類にとって避けがたく興味があるテーマだ。エスタブリッシュメントであろうがなかろうが、そこに対する指向性は幅広く認められる。故にトップエスタブリッシュメントからミドルエスタブリッシュメントへ、さらに下層へと限定解放されていく中で人のそういった指向性を丸め込みながら巨大なプラットフォームになった。

 

一方このVRのSNSはというと、ライブ空間の共有やそれに近似したサービスを好む人向けに開発されている模様である。(途中で変わるかもしれないから断定は避ける)音楽もまた多くの人に好まれるカテゴリであるが、ライブ空間というと疑問を呈す。筆者は音楽は大好きだが、ライブ空間はあまり好きではない。生演奏は好きだがむしろ、自分1人のために我が家でライブをしてほしいとすら思う。

当然筆者のような人間ばかりでないのば自明だが逆に皆が皆ライブ空間が好きかと言われればそうでないのも市場規模を見れば自明である。この観点から、サービスとしては上手くいって特定セグメントのみにはやるコンテンツとしての道は残されていそうである。

 

4.問題点その2ーMRを待たなくていいのか

VRはあくまでMRの先駆け、というのは先述した通りで、今現在VRが技術的に一番実現性が高いので過剰投資されているのである。とした時に、人々にとってのスマホ的なものが新時代においてMRグラスになり得るのも合点が行く。

 

そうした中で途上、もしくはエンタメ向きとされるVRでのSNSは、おそらくライブ空間好きの特定セグメントは使い続けるかも知れないが、Facebookほどの爆発は見込めなさそうである。

 

もちろん投資額などを見ると初めからニッチトップ狙いな感もあるし、その会社の方が初めからそのつもりである、と言うかもしれないし、そうである限りこのサービスは素晴らしいものである。批判する気も毛頭ない。繰り返すが、素晴らしいものである。

ただ、筆者はあくまでまだFacebookに変わる巨大なSNSは到来するタイミングではないのでは、という疑問を、例の会社の所信表明以降新時代の到来!新たなプラットフォーム!と騒ぐ輩が多いから抱いた、というだけのことである。